« 2009年1月 | トップページ | 2009年5月 »

2009年3月

2009年3月29日 (日)

Salses-le-Chateau(サルス・ル・シャトー)

サルスは正式名称サルス・ル・シャトーといいまして、直訳すると「サルス城」です。その名の通り大きなお城があることで知られています。
シャンティイにあるシャンティイ城、のようにお城に街の名前がついているのではなく、街の名前に「城」とついているというのは珍しい気もしますが、まあ、都城とか多賀城市みたいなもんでしょうか。

ペルピニャンの北側約15-20kmくらいの平原の中に突如として出現する要塞がサルス城です。電車も高速道路もすぐそばを通っているので、通りがかりにご覧になったことがある方もいらっしゃるのではないかと思います。
なお、ここのすぐ東にはEtang de Leucate ou de Salsesという名前の潟(湖?)があります。このあたりに多い、浜名湖のように海に面している潟のひとつですね。電車に乗っていると、サルス城を過ぎてすぐに電車が海のすぐそばを走り出しますが、それがこのEtang〜Salsesです。

Dscf0074 Dscf0073

周囲に何もない平原の中にこの乾いた土の色をしたお城が忽然と現れる様子はあまり他に類を見ず、そのたたずまいの力強さと往時を偲ばせる赤茶けてくすんだ様子から、ぼくはここをみるといつも「砂上の楼閣」というような言葉が浮かんできてしまいます。周囲の様子と砂が固まったようなその色合いから、まるで幻の城みたいな、風が吹いたらたちまちくずれてなくなってしまうような、そんなイメージですね。

サルスの街自体はさして有名ではなく、椎名誠風にいうなら、イトーに行くならハトヤですが、サルスに行くならサルス城というくらい、サルス城とサルスは完全に同義語とされています。
なお、ここはビルフランシュ・ド・コンフランやカステルヌーのように、お城に隣接して中世の街が残っているということはありません。サルスの街は少し離れたところにあるごく普通の今風の街で、サルス城は完全に独立したミュージアムとして存在しています。なのでもちろんお城の中には住んでいる人もいないです(知らないけど、いたらどうしよう)。

一方で、これまで見てきたカステルヌーなどの山間部とは違い、明らかにだだっぴろい平原、しかも海のそばの見晴らしの良いところというむちゃくちゃ攻めやすそうな地理上の条件下にありますから、なんといいますか、実戦での使用度合いの格が違うらしく、サルス城のリアルな迫力は、例え今使われていないとはいえ、一種凄みを感じるものとなっております。
その分、今は使われていないこのお城の赤錆を思わせる赤褐色の色彩、周囲のがらんとした風情が力を持って訪れる人々の心に直接響いてきます。

--

では、実際お城の内部に入ってみましょう。
このお城は15世紀末から16世紀にかけて作られたようです。

城壁も迫力があります。近寄ってみると石組みの荒々しさがまた力を感じます。
Dscf0036 Dscf0041 Dscf0045

立派なお堀があります。飛び越えられるようなちゃちなものではありません。このあたりからも、完全に戦いのためにできていることがうかがえます。
Dscf0042

橋で堀の上を渡ると、要塞の入り口があります。
Dscf0044 Dscf0043
色といい、造形といい、この城門はすごいものです。確実に敵を拒むというか、捕らえられて喰われてしまいそうな力強さです。この迫力はなかなか他では見られないのではないでしょうか。

吸い込まれそうな城門をくぐると、中の広場が見えてきます。
Dscf0046

これは見事です。ここに往時は甲冑姿の兵士やら馬やらがひしめいていたんでしょうか。
Dscf0048

周囲は回廊が続いています。石組みが美しい。
Dscf0072

これは入り口を裏から見たところかな?ちょっと記憶が定かでないのですが・・。
Dscf0050

広場の中心に井戸があります。
Dscf0051

空の青と、石の赤とのコントラスト。
Dscf0052

使い込まれたであろう、ベンチです。
Dscf0054

回廊の向こう側はそれぞれ部屋になっていて、表札がかかっています。
Dscf0056 Dscf0069 Dscf0070

で、例えばこのようにワイン貯蔵庫になっていたりなどしています。
Dscf0059

回廊の光と影。かつての兵士もこのコントラストを眺めていたことでしょう。
Dscf0055

Dscf0057

Dscf0058

城壁の上に登ってみました。
Dscf0061 Dscf0064

城壁の上から見た景色です。
Dscf0062
なんにもない感が伝わるんじゃないかと思います。
日本ならば屋台やおみやげ屋が所狭しと並んでご当地まんじゅうやお好み焼きを売ったりしそうなもんですけれど、こちらはそういうの本当に全然ないんですよね。

城壁を見上げたところ。
Dscf0065

これは、城壁の外側だったかな?なんだか、地下迷宮への入り口、ってかんじですね。
Dscf0067

と思ったら、こちらの入り口は「DONJON」って書いてあるじゃないですか!ほんものダンジョンですよ!
Dscf0068
ぼくら世代はRPG世代なので、ダンジョンと聞くと地下迷宮、その最深部にはボスキャラのドラゴンがいて・・なんていう世界を想像しますが、実際にはDONJONは地下牢、という意味のようです。ですが、辞書によっては「天守閣」と全然反対の意味が載っていたりして、どちらが正解かは未だにわかりません。ただし、この寂しげな入り口は、地下牢のような気もしますね。どちらにしても、ここに入っていくと冒険が始まってモンスターがいて・・なんていう想像をしてるのもそれはそれで楽しいかもしれません。

実際、写真にはないですが、このお城の入り口にはちょっとしたミュージアム兼売店のようなものがあって、ここは完全に中世の剣士やら鎧の騎士やらといったモチーフのおみやげ物を中心に世界を作っていました。いわゆる日本のファンタジー系ゲームの世界がリアルにここにある、といった感じです。

ちょっと話がそれるのですが、ドラゴンクエストでもなんでも、その手のRPGではだいたい主人公が出発する村があって、宿屋があったり教会があったりして、村を一歩出ると原っぱになっていてモンスターが出て、また次の村に到着すると同じように宿屋や教会があって・・・という作りになっていますね。
あの世界観は日本ではやや想像しにくいのですが、こちらのヨーロッパの田舎のほうにいくと、ああなるほどこういうことかというのがかなり正確に体験できます。
どういうことかというと、こちらでは町や村は今でもぽつぽつと点と点で存在していて、村と村の間は基本なんにもないんです。原っぱや畑や森ですね。
集落があって、次の集落まではひたすらぶどう畑しかない、なんていうのは普通です。その間は、家はもちろんのこと、レストランすらあまりありません。家は集落の中に必ずあるのです。
そしてその街の中には宿屋から教会から、また墓場まで必ず各村ごとにあります。
実際、道路標識でも「村の入り口」にはちゃんと村の名前を示す標識が出ますが、これを反対側から見ますと「出口」になっていて、名前に赤の斜線が入っています。それぐらい、「ここからは村」「ここからは村ではないところ」という境目がきっちり区分けされているんです。

これが入り口
Dscf0280

反対側から見ると出口
Dscf0281

この世界は、確かに村を一歩出るとどんな危険が待っているかわからない、森には精霊が住んでいる、といった世界観を醸成するのに十分な土壌があるような気がします。

--

サルスは電車の駅もありまして、ペルピニャンからナルボンヌ方面へSNCFで二つ目です。
ペルピニャンからの所要時間15分くらいですから、横浜と戸塚の間くらいだと思ってくれればいいです。
街の中心部からお城まではやや離れていますが、数百mですのでおそらく徒歩で行けます。
自分は車で行ってしまいました。駐車場があんまりなくて、その辺の線路沿いの道にみんな車停めていました。

見ていただいたように、サルスのお城はお城マニアにもお勧めな非常に特徴のあるお城です。
同じ石造りでも、輝く白い石でもなく、鈍い黒色でもなく、また鮮やかな赤というわけでもないこの砂地色のまぼろしの城郭、ぜひその足で踏みしめていただきたい。
ごつごつとしたその感触が視覚的にも体感的にもリアリティをもってぐんぐんと迫ってくる、ひき込まれるような力。何か、かつての戦士たちが遺してくれたものをじかに感じ取れるような、そんな空気が確かにここには存在しています。

サルスは、明らかに、何者にも媚びていません。きれいに見せようとしているわけでも、着飾っているわけでもない。その目的のためだけに毅然として立ちつくすその姿が、ひたすらに美しい。そして、そのことが、訪れる人の心の奥底に強く訴えかける力になっています。

--

現在の人、アンドレがいにしえからの回廊を歩くの図。
Dscf0071

--


大きな地図で見る

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2009年3月15日 (日)

Castelnou(カステルヌー)

カステルヌーは、ペルピニャンから南西に2-30kmほどいった山の中にある、中世のままの小さな村です。村に隣接して大きな石造りのお城があることで知られています。
ビルフランシュ・ド・コンフランやエウスと同じく、この近辺では知名度の高い観光地です。セットで訪れる人も多いんじゃないかと思います。
カステルヌーはエウスよりは大きく、ビルフランシュ・ド・コンフランよりも山の中の素朴な村という感じです。また、なんといってもお城が見事ですので、観光地としてのランドマーク的な見所も多いですね。
周囲が山に囲まれているため、忽然といきなりお城が現れる様子も幻想的ですし、お城の上からの風景も素晴らしいです。

見ていただければわかりますが、このあたりのお城は、イル・ド・フランスやロワールのお城とはかなり趣が違います。荒々しい石組みが素朴で、力強く美しいです。この近辺にいらしたら、ぜひ一度ご覧いただきたいですね。

--
ここは、写真をいっぱい撮りましたので、今回は写真メインでお届けします。

ここが村の入り口の門です。
Dscf0075 Dscf0081

村にはいると、中世さながらの石造りの家々が並びます。

これは、" i " マークがあるので、インフォメーションですかね?
Dscf0083

家々の間から、山並みが見えます。ほんとに山の中なんです。
Dscf0085

小さくてよくわかりませんが、アーチ状の門の中にはマリア様がいるのです。
Dscf0086

山の斜面に沿って村が作られているので、坂道になっています。
Dscf0087 Dscf0099_2 Dscf0100

ワンちゃんです。
Dscf0088

空がキレイですね・・・。
Dscf0094

家の中庭、かわいい花が飾ってありますね。
Dscf0095

表札、なんと書いてあるのでしょう?
Dscf0101

この丸いのはなんなんでしょうか・・・。
Dscf0102_2

とても雰囲気のある二階の小窓です。中から見てみたいですね。
Dscf0104

花、階段、木の扉。コントラストが美しいですね。
Dscf0105

このあたりでは今もポピュラーな開き窓ですが、さすがに貫禄あります。
Dscf0106_2

6番。番地表示もカッコイイですね。
Dscf0107

こちらは8番ですね。木の扉がむちゃむちゃカッコイイですね〜。
Dscf0111

表札もイカしてます。
Dscf0112

看板もカワイイです。これ、何屋さんなのかな?
Dscf0113_3

さあ、お城が見えてきましたよ!
Dscf0120

見張り台ですね。
Dscf0124

こういうの、昔絵本でよく見ました!
Dscf0125
やっぱり、この地方らしく、荒々しく石が積まれているのがわかります。美しいですね。

これは、投石機かな?
Dscf0126

城門が見えてきましたよ。
Dscf0128_2

お城の門です。
Dscf0129

お城に着きました。見上げた上にはカタランの旗が・・・。
Dscf0134

「カステルヌーのお城、こちら→」みたいなことが書いてあります。
Dscf0135

入り口の扉です。カッコイイ。
Dscf0138

これは!ノックをコンコンするやつですね!
Dscf0139

お城の中は博物館のようになっていて、中世のこのお城の様子などが展示されています。
で、ここはワイン倉庫かなんかでしょうか。
Dscf0142
いきなり、かなりがっかりな人形が出迎えてくれるので、外側とのギャップに誰しも驚きます。
フランスはけっこうこういう「中にはいるといきなり秘宝館」みたいな趣向のものも多いです。
ほっとけば、お城の外側や村はあんなにすてきなのに・・・。

これはすてきな絵ですね。
Dscf0143

・・・。これは、なんなんでしょうか・・・。怖い・・・。
Dscf0144
はたして、この方がここにいる必然があるんでしょうか。ナゾすぎます。

ステンドグラスです。
Dscf0146

これはあれです。夜中に幽霊ががしゃがしゃ動き出す、例のやつです。
Dscf0154_2

よろいの取説です。
Dscf0155

いつか訳せるときが来たらと思って撮ってみました。昔の文書のようです。
Dscf0156

ふたたび残念な気分になる鎧を着たマネキン。
Dscf0157

お城の中を通って階段を上っていきます。
Dscf0158

紋章のようです。
Dscf0160_2 Dscf0165

空とのコントラストがキレイです。
Dscf0161

ここに、たいまつなどをかかげてたのかな?
Dscf0167

さて、お城の上層部です。
お城の中から見える雄大な山々という素晴らしい背景をバックにした秘宝館人形です。
Dscf0168

この、衣装を着て座っている方々はこれも秘宝館人形です。昔の王侯貴族の方々がこうやってお食事をしていた、ということなんだそうです。しつこいようですが、この趣向である必要は全くないような・・・。
Dscf0169

振り返ればここにも残念なシルエットが。
Dscf0170

さっきお食事をしていた方々の後ろ側はこうなっています。ステージ??
しかし、なんかこう、なんで安っぽく見えてしまうんでしょうか・・・。
Dscf0172

ステンドグラスです。こういうのは普通に美しいのに。
Dscf0173

さて、お城の屋上に出ました。どうですか、石組みの間から臨むこの眺め!
Dscf0175

これはなかなか見れない景色ですよ!
Dscf0176

カタランの旗がはためいています。空と山をバックに色鮮やかですね。
Dscf0183

お城の上からカステルヌーの村を眺めてみました。
Dscf0185

よく造ったなぁと思います。こんな山の中に・・。
Dscf0187

ほんと、山深いところです。
お城の壁は遠くから見ると直線的ですが、近くで見ると石ががつがつと力強く積まれているのがよくわかりますね。
Dscf0188

でもちょっと離れるとこんなにきっちり組まれています。
後ろの山が荒涼としていていい感じです。空も青いです。
Dscf0189

振り返ると広大なパノラマです。
Dscf0191

お城の中は意外と入り組んでます。
Dscf0193 Dscf0194

村に戻ってきました。
Dscf0206

カフェがあります。
Dscf0208

カフェにいるワンちゃんです。
Dscf0210

これは、なんでしょう?家でしょうか。
よく見ると「MAIRIE」って書いてありますね。つまり役所ですね。村役場です。カワイイ役場ですね〜。
Dscf0213

この家は、カッコイイなぁ〜・・。
Dscf0217 Dscf0218 Dscf0219

村からちょっと離れたところに、教会があります。
Dscf0220

教会の時計台です。
Dscf0222

扉の上にあるのは、なんと日時計です。
Dscf0223

入り口の扉です。
Dscf0224

日時計を見上げると、こんな感じです。
Dscf0225

--

いかがでしたでしょうか。カステルヌー、行ってみたくなりませんか?
たしかマルシェも行われていて、ここの田舎風パテが大変おいしいのだそうです。

ただ、ここに来るのはほぼもう車以外の手段がありません。
http://www.cg66.fr/routes_transports/transports/bus/carte.html
のバスマップでも、ついにここは路線がありませんでした。
ただ、観光地なので、探せばなんかツアーなどがあるのでは・・・と思います。

訪れるひとはビルフランシュ・ド・コンフランやエウスよりも多い印象があるので、なんらか行くことは可能だと思います。ペルピニャンから一日ツアーみたいのあるんじゃないかな?

最悪、やっぱり自転車です!この景色の中を走ったら最高に気持ちいいと思いますよ。
実際、そういうひと多いです。ものすごい山道ですが・・。

--


大きな地図で見る

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年3月 8日 (日)

Eus(エウス)

Eusは、前回のビルフランシュ・ド・コンフランの近くにあります。
こちらも、中世の姿を今に残している街で、やはり「フランスのもっとも美しい村」に登録されています。
ちょうど、ペルピニャンからビルフランシュ・ド・コンフランに向かう途中にありますね。例の、アンドラ方面に向かう道からすぐです。前にご紹介したエスピラ・ド・コンフランも近くです。

この村は、「鷲の巣村」と呼ばれているのと同じなのかわかりませんが、国道からもよく見える小高い丘の上に広がっています。
遠くからですと、村のシンボルであるカテドラルがよく見えます。

こちらは、その山の上から下界を見下ろすように国道方面を撮った写真です。
Dscf0085 Dscf0054 Dscf0056

ぼくがここを訪れたのは、ビルフランシュ・ド・コンフランに寄った帰りでした(なので、両方写真が曇り空なんです・・)。
実際訪れたときは「中世の村」としか聞かされていず、ここがなんという名前のどんなところなのかは最近までよくわかっていませんでした。なので、実は「Eus」もどう発音するのか正確にはよくわかりません。mixi内では「ウス」と呼ばれていたので、そうなのだと信じることにします。
※その後、自分の日記を見返していたら「エウス」と呼んでいたらしいことが判明したのでタイトル変えました。でも、これも正しいかどうかさっぱりわかりません。

ここはやはり古くから存在している中世の趣を残す村ですが、ビルフランシュ・ド・コンフランよりももっと生活感にあふれています。
というより、どちらかという人々が普通に生活しているといったほうが近く、ホテルやカフェはあるものの、そんなにおみやげ屋が林立しているというわけではありません。むしろ、普通の家の方が多いです。

なので、ぼくが前回ビルフランシュ・ド・コンフランの時に書いた、「中世の街がそのまま現代の生活に息づいているフランスの奥深さ」は、ビルフランシュ・ド・コンフラン→Eusという経路を通ったことでより強く認識されました。
ビルフランシュ・ド・コンフランで、こんなに美しい街がちゃんと残っていて、それが今でも大事に使われていることに非常に心をうたれましたが、そのすぐ近くにあるこの山の上の素朴な中世の小村では、今も使われているどころか、なんのためらいもなく普通に人々が21世紀の生活を送っているわけです。

この「21世紀の生活」っていうところがポイントですよね・・。別に、世捨て人で昔ながらの生活をしているわけではないですからね。それだけ、中世の時代の建築や文化が堅牢で完成されているんですね。それを今でもみんなが誇りに思って大事にしていて、しかもただ見せ物にするのではなく、ちゃんと暮らしに活用しているのが素晴らしいですね。

村のランドマークになっているカテドラルとその周辺の村の様子です。
石で組まれた壁面、石畳が見事ですね。
Dscf0063 Dscf0071 Dscf0080 Dscf0082 Dscf0086 Dscf0090

Dscf0070 Dscf0079

こちらは村の民家です。
Dscf0064 Dscf0065 Dscf0067 Dscf0075 Dscf0076

よく見ていただければわかりますが、家もみんなちゃんと石組みで作られています。歴史があることがわかります。
美しいですね。やっぱり石組みは風合いが全く違います。
じゃあ最近のこの地方の家はどうやってできてるかというと、まあ石っちゃあ石なんですが、ブロックですね。ブロックを積み重ねて、外壁に色を塗っています。なので壁がどうしてものっぺりとしてしまうんです。
なので、外壁が石組み、というのは、たいていの場合、町でも中心部の古くからある家だとか、結構限られた存在となります。やっぱり目立ちます。

こういった家はこちらの不動産売買上どういう風になるかというと、やっぱり大変に価値があると見なされるようで、値段も高くなるみたいですね。
このあたりはやや日本とは違うメンタリティかもしれませんが、こちらの人は、ぼくらが思うのと同じように、「石組みの家、古くてカッコいいな・・・」という感覚をすごく持っているみたいですね。
多少不便もあるでしょうけれど、やっぱりそういう家に住んでいる、というのはある種の主張というか、ステイタスであるようです(ぼくが接している人々が限られているので、ほんとは違うかもしれませんが)。

日本ではどうでしょう。うーん、あんまり考えられませんね。たしかに木の家と石の家という違いはあると思いますが、それを差し引いても、200年前の旧家とだったら、どっちかというとみんな今風の住みやすい家の方に住みたがると思うんですよね。
まぁ、確かに、フランスの家は、現代の家でも、日本の家のようなパーフェクトな快適さをそこまで重視していない気がしますね。単純にクツであがるからそうおもっちゃうのかもしれませんが・・・。
でも、サッシの窓なんかほんとないですからね。今でも、大概は木の雨戸に木の窓枠の開き窓です。たまーに、雨戸がシャッターになってるハイテクの家を見ることもありますが、日本のアルミサッシみたいなのを見たことはほんとにないですね。
多少、行きすぎるくらいのサービスが込められている日本のマイホームとはだいぶ考え方が違うような気がします。まあ、これは家のことに限らないかもしれませんが。コンビニとかもないですしね。

--

さて、このEusですが、「もっとも美しい村」に指定されているだけあって有名は有名なようですが、アクセスはあんまりよくありません。
前も使った
http://www.cg66.fr/routes_transports/transports/bus/carte.html
のバス路線図によると、いちおうバスはあるようです。
Pradesという街から出ているようですね。ここはペルピニャンからの黄色いトロッコ列車、プチ・トラン・ジョーヌの駅がありますので、なんとかここまで来ることができれば、とりあえずたどりつくことはできそうです。地図で見たら山登り混みで4-5kmですから、時間と体力さえあれば最悪歩けないこともないです。
なお、ペルピニャンからPradesまでは電車で40分くらいのようです。

ですが、なかなかこの手の村って、ふらっといけるところにはないと思うんですよね。
アクセスが大変良いと言うことは、つまり観光客が多くて、観光客に見せるためのミュージアムになっているところが多いと思うので・・・。

「もうひとつのフランス」を肌で感じるには大変おすすめなところです!
ここには確かに、それがあります。

Dscf0091

--

--

あと、これは完全にどこだかわからないのですが、このあとたまたま訪れたこの近くの街の写真です。
Dscf0093 Dscf0094

すごく、このあたりの街って感じします。
Dscf0095

お肉屋さんですね。パテ売ってますね。おいしいんですよね・・・。
Dscf0097 Dscf0098 Dscf0099

こちらはワゴンの八百屋さん。カワイイですね。
Dscf0096 Dscf0100

もうひとつ八百屋さんです。ぼく、こういうお店や市場の写真ほとんど撮ったことないので、貴重です。
Dscf0101 Dscf0102 Dscf0103

カテドラルです。1606って書いてあります。
Dscf0104 Dscf0105 Dscf0106

--

大きな地図で見る

| | コメント (4) | トラックバック (2)

2009年3月 5日 (木)

Villefranche-de-Conflent(ビルフランシュ・ド・コンフラン)

ビルフランシュ・ド・コンフランです。
この街は一度訪れただけですが、大変印象深いですね。すごく鮮烈に記憶に残っています。

ビルフランシュ・ド・コンフランはどんな街かといいますと、いわゆる中世の城砦村です。
ペルピニャンから南西に約40kmほど、アンドラ公国方面にずーっといった渓谷沿いの山の中にあります。前にご紹介したエスピラ・ド・コンフランと同じ通り沿いです。

このあたりには数多く点在する、中世の趣を今に遺す村の一つですね。
規模はすぐに一週できるくらいささやかなものです。
ただし、ここは単なる中世っぽい集落というよりは、かなりきちんとした城砦村としての体裁を保っており、城門や城壁が堅固に備えられております。
近くの山の上には砦もあります。

Dscf0026 Dscf0027
城壁の様子です。山の上に砦があるのが見えます。

Dscf0028
街の入り口の門です。

詳細はぼくはよくわからないのですが、「ヴォーバンの城砦群」として世界遺産にも登録されているようです。ヴォーバンさんという方がつくった城砦のひとつ、ということなんでしょうか。
「フランスのもっとも美しい村」のひとつにも認定されています。

Dscf0029 Dscf0032 Dscf0037 Dscf0043 Dscf0044 Dscf0049 Dscf0050 Dscf0051


この街は、古いというだけではなく、やっぱり街並みが美しい。
ほんとうに、初めてここに来たときは衝撃を受けました。
ぼくは、いわゆるフランスの中世の街並みを遺す村というのは、ここで初めて見たんですよね。
それまでも、パリの建築物でさえ、その辺のアパルトマンから、母親が暮らす家から、みんな100年くらい軽く経っているんだと言うことに、またそれを今でも普通に使っていると言うことにかなりなカルチャーショックを受けていたのです。
それがここは一気に中世です。年代も違うし、何より趣も全く違う。
「ほんもののおとぎ話の世界だ・・・」
ちょっと恥ずかしい表現ですが、本当にそう思いました。石でできた城門、石組みの家、木の扉、全てが小さい頃に本で読んだあの世界だと思いました。

そして何より心を動かされたのは、ここで人々が今もなお生活を営んでいるということでした。
つまり、博物館的に、または日本の古い神社や寺やお城のように、観光地として人に見せるためだけに存在しているのではなく、ちゃんと人が血を通わせてここに暮らしているということです。
具体的に言えば、もちろんおみやげ屋もあるのですが、それにまじってちゃんとパン屋、郵便局といったものが存在しているんですね。
いわゆる、そういった生活機能を残しつつ、この街が今なおかつての面影を全く残しながら存在している、そういったフランスの古い街ならではのありかたに、ここで初めて出会ったんです。

Dscf0046
パン屋さんです。

Dscf0039
PTTは、郵便局です。


何かをここで買ったとか、スペクタクルな光景を見たとかということとは関係なく、ここを訪れたことで、自分の中に、新しい価値観とも言うべき、かけがえのないなにかを手に入れたような、そんな気分でした。
また、ここに来たことで、ぼくは一気に南フランスにぐっと引き込まれましたね。
なんて、自分の想像を超えた懐の深さがあるんだろうと思いました。
本当に、ここの城門をくぐった瞬間に自分の何かが変わったと思わせる、そんな一瞬でした。

--

まあ、とはいいつつ、やはり今はほとんど観光で成り立っております。
先に書きましたように、小さな街のほとんどはおみやげ屋かレストランです。
いろいろ見ていますと、街の中にホテルもあるようですね。
こんなところに滞在したら楽しそうです・・・。

Dscf0030 Dscf0031 Dscf0033 Dscf0034 Dscf0035

--

この近辺の街はどこもアクセスが悪いのが常ですが、ここは奇跡的に電車が通っています。
かの有名な「プチ・トラン・ジョーヌ」です。ペルピニャンから渓谷沿いに走っている黄色いかわいいトロッコ列車です。
というか、ぼくはここには車で来てしまったので実は駅がちゃんと歩いていけるところにあるのかよくわかりません。
最寄りと思われる駅の名前はビルフランシュ・ド・ヴェルネ・レ・バンになっており、同名の街は数キロ南にあるのですが、地図上の線路はどう見てもビルフランシュ・ド・コンフランに沿っているので、たぶんビルフランシュ・ド・コンフランから歩いていけるところに駅があるんじゃないかと勝手に思っています。
なんにせよ、ヴェルネ・レ・バン駅まではペルピニャンから1時間弱くらいのようです。朝とお昼と夕方に1時間に一本ずつくらいはあるようなので(今サイトで冬ダイヤを見てそれくらいでしたから、夏はもっと多いかもしれません)観光には充分ですね。

プチ・トラン・ジョーヌからの渓谷沿いの景色も素晴らしいですし、その後に巡り会えるビルフランシュ・ド・コンフランの街のたたずまいは訪れる人の心に何かを刻んでくれると思います。
ペルピニャンに滞在することがあれば、ぜひ足を延ばして訪れていただきたいです。

--

小さなかつての城砦都市が持つエスプリと信念。ビルフランシュ・ド・コンフランは、これが確固たる形をもってしっかりと主張をしている街です。
ここは死んでしまった遺跡ではありません。今もしっかりと血が巡っています。
人々の数百年の積み重ねが、今を生きる人間たちの中に現実として生きている。
そして、訪ねてきた人々ににしっかりとそれを伝える力を持っている。
本当の歴史というのはこういうものかと思います。

--

たぶんオフィシャルサイト
http://www.villefranchedeconflent.com/

--


大きな地図で見る


| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2009年1月 | トップページ | 2009年5月 »